近藤 洋祐

ドラスティックに
変革の時代に立ち向かう

HEROES INTERVIEW ヒーローズインタビュー

ライドシェア導入が議論されている今、変容のとき

ライドシェア導入が議論されている今、変容のとき

日本のタクシー業界といえば古い業界と思われがちですが、市場規模は2兆円超とそこまで小さくはありません。


自動運転タクシーやライドシェアの導入が議論されているように、業界はどんどん変容していますので、やりがいを感じられる面白い業界だと思います。


東京の大手企業がタクシー業界にベンチャーとして乗り込んでいますが、タクシー会社がバックボーンである『電脳交通』は、ほかに再現性のない企業であり、大手ですらはじめられないことをやっていると思います。


いろいろなメディアで『電脳交通』を取り上げられることも増えていて、たくさんの人に認知されてきていること実感しつつ、世の中にいい影響を与えられる組織でありたいと思っています。

組織を成熟させるために必要だったこと

2018年にはじめて新卒採用をしたのですが、優秀な学生を採用したものの、3年くらいで次々に辞めていったんです。


理由は、組織としてその人たちの能力開発ができていなかったこと。


幅広くマルチな仕事をする「なんとなくなんでもできるなんでも屋さん」は当時の会社としては必要だったのですが、キャリアアップをするためにどういう能力を開発するか、技術を磨けるかを提示しなかったことが原因だったんです。


そのときの喪失感は半端なかったですね。2019年以降は新卒採用を止め、組織の状態に応じて採用を進めてきましたが、ようやく新卒もキャリア形成ができる組織体制が整ってきました。

自分の市場価値を高めてほしい

現在の組織は、キャリア形成のプランが提示できるようになっています。


学生から社会人へ人格形成されるプロセスで、キャリア形成を近くで見てくれる人がいれば成長が見込めると思います。


自分自身にいい影響を与えてくれる組織に身を置きながら、自分の価値を高めてほしいです。自分の価値を高められたら、大谷翔平のような人材が生まれるんじゃないかと思います。

若手がチャンスをつかめる組織にしたい

僕ら経営陣は、若い人が失敗しても「大丈夫だよ」といえるために利益を出したいと思っています。チャレンジするためにお金を使える、若い人がチャンスを掴めるような懐の深い組織にようやくなってきたんじゃないかと感じています。


長く一緒に仕事できる人と出会うためにも、会社の方針は丁寧に伝えていきたいですね。


会社と相性のいい子たちに、強く刺さるメッセージを発信していけたら、どんなときでも安心感をもって仕事に取り組んでもらえるはずです。


若い人が活躍できる組織であることを、もっと認知してもらわないといけないなと感じます。新人が上を目指すと、経営者も緊張感が増します。


私自身の成長にもなると思っているからこそ、新卒採用に積極的に取り組んでいこうと思います。

生まれ変わっても同じように経営者になりたい

振りかえってみると25歳で会社を経営することになって本当によかったと思います。


刺激的な経験をたくさんさせてもらったので、生まれ変わっても同じように経営者になりたいと思っているほどです。


でも、僕自身は今の立場に固執しているわけではなく、自分よりもっと優秀な人に出てきてほしいと思っています。


よく将来の夢を聞かれますが、我が子に会社を継がせようとは考えていなくて、自分の資産は交通遺児に寄附することを決めているくらいです。


※取材日/2023年1月

Profile

(Profile)
徳島市内の高校を卒業後、メジャーリーガーを目指しアメリカの大学に進学。卒業後は帰国し、祖父が社長を務める『吉野川タクシー』に入社。妊産婦向けの送迎サービス[マタニティタクシー]や学習塾へ子どもを送迎する[キッズタクシー]など画期的な新サービスを次々と立ち上げる。2015年電脳交通を創業し代表取締役に就任。徳島大学客員教授。


2002年
Indian Hills Community College卒業

2009年
小松島の会社に入社

2010年
吉野川タクシー 入社

2012年
吉野川タクシー(有) 代表取締役CEO 就任

2015年
電脳交通 創業

2016年
『徳島創生アワード』で [クラウド型タクシーコールセンター]事業が大賞を受賞

2019年
一般社団法人XTaxi(クロスタクシー)立ち上げ